Hearts of Darkness (Japanese/日本語)

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  • 公開済み: 20 1 2014
  • アップデートされたもの: 18 3 2014
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一年の休学の間にキンバリー・コールマンはある“ミッション”に巻き込まれる。それは、45日間の間にあの世界的に人気のあるハリー・スタイルズを元の彼にもどすということ。ここ数ヶ月、ハリーはクラブに出入りし、彼の銀行口座の残高はどんどんと少なくなっていった。グループのメンバーたちはそれを心配し、キンバリーの助けを求めた。ハリーがいったい何をしているのか、誰も知らなかった。一つ確かなことは:今のハリーは世界中の女の子が愛しているあのハリーではなく、グループの将来何て気にしていないということ。メンバーたちが思っているほど、ハリーは本当に変わってしまったのか?キンバリーに与えられた時間は45日。彼女はハリーの奥深くにある秘密を探ることが出来るのか?そして限られた時間の中で元のハリーにもどすことが出来るのか?

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4. ✻"We don't need one who will fall in love with him."


「じゃ、この私、キンバリー・コールマンにワン・ダイレクションのハリー・スタイルズ、あのハリー・スタイルズを助けろって言うの?」

私は目を見開いて4人のメンバーたちを見た。彼らの目にはもうすぐ私によって消し去られるであろう、ほのかな期待がきらめいていた。

「ムリ、ムリ、ムリ。」

私は首を横に振った。私が顔を上げた時、ペリエはすがるような目つきをした。でも、だめ、意味ない。その目つき、前にも何度も見たことがある。

「私がペリエの親友になるって決めた時、あなたのかの有名なグループの彼氏の友だちを助けることなんて、そんなことなんにも言ってなかったじゃない。」

ゼインを振り返って私は言った。

「悪気はないのよ。」

彼は少し笑うと肩をすくめた。それがまたゼインらしかった。彼は私のコメントに慣れていたから、気にしているふうでもなかった。

OK。手短に。私の名前はキンバリー・コールマン。20歳。ロンドンの真ん中に住んでる。茶色の長い髪。この髪を巻くのかストレートにするのか、これがいつも私の悩み。いつも決められないの。巻いたらストレートにしたくなるし、またその逆も。- いつも頭を悩ませてる。

 

20歳のれっきとした大人だけど、仕事はなし。いろんな小さな仕事はしてるけど、特別なものはない。もう少し将来のことについて考えなきゃいけないんでしょうけど、そう忙しいってこともないし、それに、今年は私の、私だけの、それと少しペリエのための年。

 

みんな彼女のこと知ってると思うけど、リトルミックスのペリエ。私の親友。彼女たちは今を生きてて、それはとっても忙しいってこと。だから、ペリエは私のうちに来て、映画を見たり、男の子の話をしたりする時間もない。世界中を飛び回っているし、かっこいい彼氏もいる。でも、だからこそ私にはできることがある。1年休学した理由はそれ。ペリエと一緒の時間を過ごしたかった。彼女の経験することを一緒に分かち合いたかった。彼女は私にとって本当に大事だから。

 

この年の思い出が私のご褒美。

 

でも、彼女の彼氏の親友を助けるなんてこと、ペリエと一緒に過ごすこの1年の予定にはなかった。ゼインのことも好きだけど。それはもちろん、ペリエを幸せにしてくれるからで、それが私の願いだったし。それにペリエが歌ってる時、ゼインと一緒に楽しい時間を過ごしたし。彼の親友なしですべてうまくいってたのに。

 

「365日のうちの45日だけ。みんなにとって本当に大事なことなの。」

「何で45日なのよ。45日後に何があるって言うの?」

眉を片方だけ上げて言うと、みんなの期待が薄れていくのが見えた。でもそんなことはどうでもいいわ。私はハリー・スタイルズなんか関係ないし。

「今までで最大規模のコンサートがあるの。キンバリー。これを成功させないと。」

ペリエは真剣に何か言う時、いつも私の名前を省略せずに呼んだ。それが嫌だった。だって、たまにしか言わないから、だめって言えないじゃない。すがるような子犬の眼、ただ話せる子犬。

 

キンバリー、あなたは特別だから。って決まり文句のように言ってほしくないのよね。まあ、言われて悪い気はしないけど。でも何で私?何で他のモデルとか、ハリーが夢中になるような人じゃないの?」

 

ペリエが深いため息をついた。

 

「ハリーに口説かれるような子やハリーが欲しいと思ってしまう子を探している訳じゃない。その逆だ。ハリーに誰でも手に入れられる訳じゃないってこと、それに今ハリーが間違った方向に進もうとしていることに気づかせてくれる人が必要なんだ。ペリエが君のことをすすめたとき、俺は本当に君が特別だと思ったんだ。」

厳しい口調でルイが言った。心が沈んだ。彼の厳しい口調のせいじゃない。それには慣れてた。でも、彼のまなざしが後味を悪くさせていた。

 

彼は見るからにがっかりしていた。

 

「それはまさに君なんだよ。君は強いし、ハリーに夢中になったりしない。今、なんとかしないと、グループはおしまいだ。」

 

「それに、ハリーも。」

 

とナイルが続けて、自分の手もとに目をふせた。私はまた首を横に振った。ムリよ。ムリって言うことに罪悪感なんか感じなくていいはず。

 

これは私の休暇の年なんだから。ペリエが私を追い出すまで、おいしいご飯食べて、ばかばかしいドラマとか見て泣いて、いっぱいパーティーして。この一年はリラックスして、人生を楽しむはずだったのに、今、ここでこうして後味の悪い思いをしてる。ああ、もう。

 

「フェアじゃない。」

 

と言って、腕を組んだ。ルイ以外のみんなは混乱気味にお互いを見ていた。でも、ルイはまっすぐ私を見据えてた。感じ悪い。

 

ルイに何か問題ある?って言ってやりたかった。でも、私が問題だってことは自分でもわかってた。私はエゴイスト、本当に自己中心的。いつもはそれを誇りに思ってたけど、今は違う。

 

「俺たちには本当に君が必要なんだよ。キンバリー。」

 

彼がそういった時、ルイが滅多に頼み事をしないこと、よほどのことがなければ彼らが私の助けをもとめてこないってことがよくわかった。

 

「ペリエ、」

私は責めるように言って彼女を見た。ゼインの手が彼女の膝におかれていた。ゼインも困った顔をしていた。ペリエからの助け舟もなさそうね。私のかたくなな拒否も続きそうになかった。ハリーのベビーシッターなんてまっぴらごめんだった。でも、365日のうちの45日間。ドキドキする楽しいことは好きだし、彼らとなら面白いことが起こりそう。

 

でも、一方で、面倒なことに巻き込まれたくなかった。ほかの人に嫌われたくなかったし。もうすでに嫌っている人以外には。

 

でもでも、もし、私がワン・ダイレクションを救ったら?もし、本当にハリーをまともな道にもどすことができたら?たぶんそれが私の運命なのかも?

 

私は天井を見上げた。私のモデルとしてのキャリアにもチャンスがくるかも。それにペリエも喜ぶし、うまくいけば彼女とメンバーたちにも感謝されるし。

 

深呼吸をすると、

 

「OK。いいわよ。」

ペリエの顔に笑みがあふれた。みんなは安堵の吐息をもらした。リーアムは控えめに笑うとナイルにもたれかかった。

 

「でもぉーーー、」

みんなの視線が素早く私に集中した。こんなに男の子たちに注目されることもないから、つい笑ってしまった。

 

「あなたたちが私に何をさせようとしてるか知らないから。」

そのコメントが何かおかしいと今さら気がついた。もし、みんなが私にありとあらゆることをさせようとしてて、その内容も知らずに今私がOKしてるとしたら?もし、ハリーとエッチなんて?

 

「キム、あなたがしちゃいけない唯一のことは、」

ペリエがそう静かに言って、みんなを見回した。

「ハリーに恋すること。」

吹き出しそうになったけど、我慢した。だって、みんなが真剣に私のことを見ていたし、これは肝心なことのよう。

 

「じゃ、これで満足でしょ。私はボーイバンドのメンバーには恋しません。特にカールアイロンに失敗したような子とは。」

みんなに笑顔を向けると、みんなも笑顔になった。

 

ナイルは笑い声を上げた。ほっとしているようだった。

本当にハリーに何か、恋に落ちるとかの問題じゃない深刻な何かが起こる。

そんな予感がした。

 

「じゃあ、45日。キンバリー。」

リーアムはそう言うと手を差し出した。

「君のこと信じてるから。」

私が握手をすると笑顔を見せて言った。

 

「いつ始めたらいい?」

 

「今日。—もうハリーはクラブに行ってるよ。」

ルイが立ち上がって、住所の書いてあるカードを私に差し出した。

私はそれを素早く受け取ると、

 

「さ、パーティー。」

と、嫌みっぽく言って自分の着ている服を見た。

 

「用意しなくっちゃ。」

みんなに笑顔を見せると、彼らも笑顔になった。みんな喜んでいた。

 

***

ペリエが選んだタイトな黒いワンピース。これがハリー好みらしい。性格がわかるわね。そのワンピースに身を包んで、ドアを開け、クラブの中へ入り込んだ。そこは混み合っている訳ではないけど、その店は騒がしい音楽と人で溢れてた。

こんな場所にはいつも友だちとグループで行っていた。こういうところに一人で行くのは趣味じゃない。半分はドラッグでイッちゃってたし、後の半分はドラッグを賭けてた遊んでた。たった一人の普通の人、それは私。たぶん。

深いため息。ハリーはここのどこかにいる。

 

お財布を握りしめて、カウンターへ向かった。私の追う視線を感じた。それもそうね、この服じゃ。

 

私だったらこの服を選ばなかった。ペリエのボディーラインじゃなかったら、ちょっと無理な感じ。でも、私も視線を集めてるってことは、まあ悪くないってことかしら。でも、落ち着かない。

 

カウンターの椅子に座った。ここからは全てが見渡せた。しばらくして気がつくと手にドリンクを持ってた。信じないかもしれないけど、普段からそう飲む訳でもない。でも、酔ってなきゃやってられなかった。ハリーと寝なきゃいけない訳じゃないけど、ハリーを夢中にさせて、無視する嫌な女を演じる。

 

もしかして、ペリエが私をこの役に選んだのには別の訳があるの?彼女も私のこと嫌な女だと思ってるとか?そんなに悪くないわよね。そうね、今度あったら話してみよう。でも今じゃない。隣に誰か座った。確かに私に興味を持ってる。顔を近づけて来た。

 

「どうも。」彼が声をかけて来た。振り向きながら彼に笑顔を見せた。今夜は騒ぎを起こさないようにしなくちゃ。彼は今夜のいいお友だちになるかもしれない。

 

「どうも。」髪をかきあげて答えた。

こうして彼との長い夜が始まった。タイラーって言う名前。必要以上に飲んでしまったみたい。ここに来た理由まで忘れてしまいそうだった。でも、ハリーはいつもここが閉まってからうちに帰るってみんなは言ってたし、まだ時間はある。

 

でも、知らないうちに、このタイラーは近くに座って、手を私の太ももの上においていた。私のタイプじゃない。面白いし、今夜ここでだけのいいお友だちだった。彼がその手を太ももの上へ滑らせる前までは。

 

彼の手をつかんでやめさせようとした。でも、彼は私の耳元で低く笑うとうなじにキスをして来た。今夜彼は何度も同じことをしてきたけど、今回のは少し違った。それはもっと違う、彼の強い力に私のからだが震えた。

 

「タイラー、」

そう言って、彼を押しのけようとした。彼の眼が私をとらえた。その時初めて彼の眼が不気味に赤くなっていることに気がついた。

 

「タイラー、あなたどうかしてる。」

笑いながらも、誰か助けてくれないか周りを見回した。彼も一人できたはずじゃないわよね。

 

「キム、」

彼はうめくように言うと、私を引き寄せた。イスに足がぶつかり、痛みに声が出た。

 

「タイラー、やめて。」

彼の胸にて当てて押しのけようとした。でも、彼は私の手首を取ると カウンターの陰へ私を押した。

 

彼の手は私のからだを撫で下ろした。優しくではなく、痛むほど強く。嫌だ。これだからこういう場所には一人で来ないようにしてたのに。こんなことになるなんて。

 

「タイラー!」

私のワンピースの裾を持ち上げた彼に向かって叫んだ。カウンターの中にいる誰かがこっちを見ていた。もう一度私がタイラーの名を叫んだとき、その人は何が起きているか気がついたようだった。

 

「やめて!」

私は大きな声で言った。カウンターにいた彼がタイラーの肩をたたいた。タイラーは彼を無視して私をさらに引き寄せ、私の服に手を潜らせた。

 

からだが震えた。ショックで動けなかった。でも、私はこんなことを許すような女じゃない。少しコントロールを失ったからって、こんなことで私の人生を台無しになんてさせない。

 

「はなして!」

彼の手から逃れようとした。周りの目が私の声に集中した。吐き気がした。こんな風にさわられることに我慢できなかった。ただ、ただ、ここからはなれたかった。

 

「ちょっと。」

深い声が聞こえた。その声に怒りを覚えたかのようにタイラーは手に力を込めた。

 

「タイラー、はなせよ。」

と、その声はタイラーを止めようとした。それなのにタイラーはやめようとしなかった。タイラーの手が上へ伸び、私の口から叫び声がでそうになった時になってやっと彼から解放された。

 

殴る音が聞こえた。そのあとからタイラーのうめき声。カウンターの後ろの彼が素早くこちら側へ来ると、タイラーをつかんだ。たくさんの音。でも、今私ができるのは、服をきちんとして軽い女に見られないようにすること。

 

誰にも私がタイラーにこんなことを許したなんて思わせたくない。

 

「大丈夫?」

その声が言った。赤くなった手が私の肩におかれた。床にタイラーが倒れてた。私は一歩下がるとその人を見上げた。

みんなが噂する彼の緑色の眼。めまいを起こさせるような瞳。いつものカールアイロンに失敗したような髪型も、素敵に決まっていた。今日はカールアイロンがうまくいったのかしら。

 

白いシャツに黒いスリムジーンズ。足のラインがきれいに見えてる。私より彼の方がきれいな足してるかも。どうしてかしら。不公平ね。

 

「ん。」

私は何も言えず口ごもった。タイラーのせいじゃなかった。男たちがどんなものか知ってたし、タイラーなんて自分でなんとかできたけど。でも、ハリーが助けてくれた。そして私はハリーを見つけた。楽勝じゃない?

 

言葉を失ったのは、彼を見たから。私はあのx-factorのハリーを想像してた。こんな素敵なハリーじゃなくて。でも、私もこんな取ってつけたような素敵な笑顔にだまされたりしないわ。

 

心の中で強がった。ハリーの彼女になりたい訳じゃないし、それにハリーは私のタイプじゃない。そうね、私のタイプはタトゥーがあって、黒髪で、舌にピアスしてるような?うそうそ。でもハリーみたいなタイプじゃないことは確か。ボーイバンドの子なんかに恋はしない。ハリーはかっこいいかもしれないけど、見かけだけね。

 

たくさんの女の子たちと寝て、ドラッグに手を出して、心もきれいなんてあり得ない。何かが間違ってる。

 

ハリーは一晩限りの相手としてだったら考えられるけど、必要なかったし、今そんな気分でもないし。モノにしたい男の子リストの上位にハリーはいないわね。

 

彼は優しかったけど、間違った方向に向かっていたし、助けを必要としてた。—私の助け。だから、彼と寝るわけにはいかない後にも先にも。彼を振り回すような嫌な女になるか、たぶん、彼のお友達になるか。

 

どちらにしても、彼に何が起きてるのかまず知らないと。

 

「おいで。」

彼は静かに言うと、私に手を差し出した。彼が何をしたいのかわからなかった。でも、これは私が彼を探るために送り込まれて来たと疑わせないためのチャンス。それに正直言って、タイラーが今してきたようなことをする訳ないし。

 

「本当に大丈夫?顔色悪いけど。」

口ごもりがちに言った彼の態度がしゃくにさわった。どういうつもりで言ってるのかしら?

「ちょっと頭が痛いの。」

彼がうなずいた。

「タイラーのこと、ごめんな。アイツ、何やってんのかわかってないんだ。」

そう言って遠くを見つめた。申し訳なさそうに。そんなことあるわけないのに。関係ないし。

 

「彼のこと知ってるの?」

バカな質問。もちろん知ってるわよね。ハリーは顔を私に向けると、少し笑って、

「タクシー呼ぼうか?」

と言った。

 

「家、そんなに遠くないから。」

本当は家は近くないのに、言った。ハリーは私のほうを見ると、

「誤解しないで。でも、送って行った方がいいと思うけど?」

 

ハリーは乗り気みたい。そうね、外は暗いし、ハリーのことももっと知らないといけないし。ハリーに私は他の子とは違うと思わせなくちゃ、実はそうちがわないけど、そう演じなくきゃ。

 

ハリーにセクシーさを感じないから、やっぱり他の子とは少し違うのかも、私。彼が服を脱いだら、それでも。ムリ。ときめきもない。

 

ペリエは正しかったのかも。このタイプの仕事が私に会ってるって。才能を見つけたわね。

 

「じゃあ、あなたが言うなら。」

彼にそう笑うと、彼はかすれた声で笑って、私をそこから連れ出した。

 

✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘

私(テア)からの最初のチャプターです。

自分でもどうなるかすごく楽しみ。

キムのことどう思う?

みんなは45日間で何とかなると思う?

 

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