Hearts of Darkness (Japanese/日本語)

  • by
  • 評価:
  • 公開済み: 20 1 2014
  • アップデートされたもの: 18 3 2014
  • 状況: 処理中
一年の休学の間にキンバリー・コールマンはある“ミッション”に巻き込まれる。それは、45日間の間にあの世界的に人気のあるハリー・スタイルズを元の彼にもどすということ。ここ数ヶ月、ハリーはクラブに出入りし、彼の銀行口座の残高はどんどんと少なくなっていった。グループのメンバーたちはそれを心配し、キンバリーの助けを求めた。ハリーがいったい何をしているのか、誰も知らなかった。一つ確かなことは:今のハリーは世界中の女の子が愛しているあのハリーではなく、グループの将来何て気にしていないということ。メンバーたちが思っているほど、ハリーは本当に変わってしまったのか?キンバリーに与えられた時間は45日。彼女はハリーの奥深くにある秘密を探ることが出来るのか?そして限られた時間の中で元のハリーにもどすことが出来るのか?

0いいね
0コメント
1595見る
AA

7. ✘”Tyler came by earlier. Get ready for another check."

 

本のためのインタビューを受けることはそうあることじゃなかった。実際これが初めてだった。廊下を歩きオフィスを訪れるのは少し不思議な感じがした。もっと不思議だったのはボクがドアを開けた時、彼女がボクの前に立っていたこと。彼女のことをあれこれと考えたあと、やっと彼女とまた向き合うことが出来た。彼女はきれいだった。でも驚くことじゃない。ボクはもう知っていた。

 

キムは変わらなかった。彼女は少し緊張しているようだった。この状況をどうしたらいいのか分からない様子だった。

「素敵なところだね。」

ボクが微笑むと、彼女はインタビューを始めようと紙を手に取った。彼女の期待に応えられるようにと思った。彼女の本だ。昨日の夕方から飲んでいないせいか、いつもより頭が冴えている感じがした。昨日の午後はたくさん水を飲んだ。集中できる。

 

「じゃあ、始めましょうか。—あなたは何歳?」

 

キムはあまり準備をしていないようだった。質問を訊いたと同時に何かを探し始めている。

 

でも、彼女がその何かを探すのをやめるとボクを見た。ボクは彼女の方へ身を乗りだした。

「知らないの?」

調子に乗っているつもりではないけど、有名になってからはこういう質問を受けることはなかったから。

 

彼女はファンじゃないからと言うと表情を少し変えた。

「鉛筆どこよ。」

彼女は少しイライラしていた。彼女の見つからない宝物が鉛筆だとわかると、少し驚いた。ここは彼女のオフィスなのに、どこにあるか知らないのか?

 

「鉛筆のあるところ知らないの?」

彼女の方を不思議そうに眺めることをやめられなかった。答えてほしかった。自分のオフィスで鉛筆がどこにあるか、わからないなんてあり得ない。

 

彼女は少し止まると、

「みんながすべてを知ってるとは限らないのよ。ハリー。」

と言って、引き出しを開け、そこにボールペンを見つけると嬉しそうに笑った。

「まだ、質問に答えていないわよ。」

 

「19歳。1994年2月1日生まれ。」

ボクは少しイラついて来た。こんな簡単な情報も準備していないなんて。もう少し準備していれば、今こんなことに時間を使わなくてもいいのに。

 

彼女はそれを書きとめると、次の質問をした。どこで生まれたのかとか、家族のこと、それからボクの小さいときのこと全て。全てのことを説明し終わるとずいぶんと時間が経っていた。

「あなたがグループの名前を付けたんですってね。」

 

「そう。」

彼女は紙に何か書いていた。でも、ボクには何を書いたのか見えなかった。落書きのように見えたけど、何も言わなかった。きっとこれは彼女の最初の本に違いない。インタビューが進むに連れて、ボクは本当に出来るだけ多くのことを語るようにした。でも、ボクには彼女があまり興味を持っていないように見えた。彼女がペリエの知り合いではなかったら、このインタビューは実現しなかっただろう。

 

「まだ誰も聞いたことのないような話ないの?」

彼女はボクのことをじっと見た。頭の中をいろいろなことがよぎって目を合わせられなかった。ジェニファーのこと、タイラーのことが浮かんで来たけれど、それを話すわけにはいかなかった。もうすでにいろいろな噂があるのに、もしみんながジェニファーとのことを聞いたら、評判を損ねることになる。

 

だから、何もないと彼女に言った。

 

でも、彼女は信じなかった。

「彼女とかは?」

 

彼女の言い方に、答えずにすます方法はないと感じた。

「何人か。キャロライン・フラック、テイラー・スウィフト、ジェニファー・ロバーツ。」

 

「Tay-Tay って知ってる?ふざけないでよ。」

彼女のコメントに少し驚いた。でも、本気みたいだ。

「あ、ごめん。彼女の音楽は好きだけど。」

 

ボクは頷いて、床に目を伏せた。

テイラーはボクの人生の何週間かを一緒に過ごしたけど、結局別れた。そのあとに、ジェニファーに出会った。

 

キムは名前を書き記した。

「フルネームを使うのね。他にコメントはないの?」

「ボクは彼女たちを忘れようとしているんだよ。」

フルネームを使うことを説明しているうちに、もう彼女たちはボクの友だちじゃないと思っていることが口から出てしまった。

 

「で、ジェニファーが一番最近の彼女かしら?」

答えたくなかった、でもただ頷くだけのボクにキムは不快な質問をぶつけて来た。

 

「どうして別れたの?」

答えなかった。

 

「彼女のこと愛してた?」

答えなかった。

 

「彼女のことよく考える?」

答えなかった。

 

キムはますますボクを不機嫌にさせた。

「ハリー、少しは協力してよね。『ハリー、元彼女ジェニファーのことを何も話さず』、なんて本出せないから。」

ボクの口からため息が漏れた。

 

「つまらない本になるよ。」

問題なのは、もし、ボクがジェニファーのことを話したら、また全てを思い出してしまうから。ボクが大切にしている、ボクたちが一緒だった時間、彼女が本当の顔を見せるまでの。

「別のこと話さない?」

やっとそう言うと、机に視線を落とした。手のひらが湿っていた。なんだか暑かった。

 

キムはボールペンをおくと

「今日はもうやめましょう。」

と、立ち上がると部屋から出てこうとした。

 

「ボクが出て行くべき何じゃないかな?きみのオフィスなんだし。」

ドアの方へ行こうと立ち上がった。新鮮な空気を吸い、それから昼寝をしよう。

「そうよね。」

少し慌てた様子で、ドアを開けた。ボクのボディガードがドアのすぐ後ろに立っていた。

 

「じゃ、さようなら。ハリー。また電話するわね。今度はあなたの住んでいるところを見せてもらえるかしら。」

 

自分のうちが一番落ち着く。ボクは大きな笑顔を作ってみせた。

「いいよ。」

もし彼女がうちにくるなら、どんな夜にしたいか、もう想像することが出来た。

「電話して。」

 

彼女はボクの声が弾むのを聞いたはずだ。彼女はボクを見上げた。

「何を想像してるか知らないけど、ありえないわ。ハリー。」

 

ボクは肩をすくめると、笑ってみせた。

「信じるものは救われるって知ってるでしょ。」

ちょっと悪ふざけがすぎたか。キムは心配そうな顔をした。今のはまずかった。ドアがボクの後ろで閉まったとき、壁を殴りそうになった。何でキムのこととなるといつもこうなんだ。また全て台無し。ボクのボディガードも何かがあったことに気がついたはずだ。彼がボクの急な気分の変化のことを聞いて来た。でも、わかったはずだ。だって会話を聞いてたんだから。

 

「どこに行きますか?」

今日のボディガードは運転手も務めていた。他のメンバーたちが監視を頼んだから。何考えてんだか。キムに何かするとでも思ってんのか?でも、良く考えてみると、みんなのことが理解できた。さっき想像したことを思い出して。

「みんながどこにいるか知っている?」

車に乗ると聞いた。周りにファンはいなかった。

 

彼はエンジンをかけて、ルイのパーティーのためにみんながクラブにいると言った。ボクも行かなくちゃ。みんながクラブにいるのにボクがいないなんて—あり得ない。

 

ゼインがルイと話しているのを見つけた。

「ハリー。」

ボクを見ても2人は驚いていなかった。彼らに微笑みかけた。

 

誰が来ていて、誰が来ていないのかを見るのに時間がかかった。ペリエの姿がなかった。

「なんでペリエ来てないの?」

まだパーティーは始まってなかった。でも、ペリエはこういう場ではいつもゼインのそばにいた。

 

「ペリエは今アメリカだよ。」

と彼が言うと、ボクは残念だと思った。キムのことを聞けると思ったのに。ゼインに小さく頷いて、もっと面白いことがないか探した。次々にゲストが集まって、たくさんの女の子たちでいっぱいになった。あと、もちろん男も。

夜が更けて、ビールを一本、また一本と飲みながら丸テーブルの席に座っていた。飲んでいるのはボクだけだった。リーアムは狂ったヤツでも見るかのようにボクを眺めていた。

「もうやめた方がいいんじゃない?」

ボクは首を振った。あともう少しでいろいろなことを考えなくても良くなるというところまで来ていることを感じた。そうなることを願っていた。今日の嫌なことが頭をいっぱいにしていることに我慢できなかった。アルコールをあおり、リーアムに言った。少しはましだ。

 

「まだ。」

答えはシンプルで、リーアムを黙らせた。ボクから何も聞き出せないってすぐにわかるはずだ。彼が考えていることは間違っているけど、ボクは本当のことを話すことはできない。だからタイラーをどうにかするまでは、みんなから誤解されても仕方がない。

 

ルイが来るまで、リーアムとボクの間に沈黙が走った。ルイは満面の笑みを浮かべていた。これが意味することは一つ。

「ハリー、ストリッパーたちが来たよ。見たいなら。」

 

彼はボクと同じくらい酔っているようだ。そして“親友”とそれを見ながら一緒に騒ぎたいようだった。

 

でも、気が乗らなかった。

 

何でかわからないけど。彼女たちは何もしなくても近くまですり寄って来て、ボクはいつも満足だった。でも今はそうじゃない。

「やめとく。」

ルイは驚いて、目を見開いた。

「外の空気すってくる。」

 

気分が変わる前に立ち上がって、バスの低音が頭を狂わせそうに響いているその場所を離れた。頭がガンガンしたけど、それがやめとくと言った理由ではなかった。

 

自分でも意外だった。ドアを開け、外の空気を吸った。すぐに孤独を感じた。

彼女が恋しくなった。どうして一晩きりではなくて、つきあうとなると女性を満足させるのは難しいのだろうか?

 

「ハリー?」

リーアムの静かな声が風にかき消された。振り返るとリーアムがいた。髪が伸びて来て、彼のTシャツとズボンによく似合っていた。

 

リーアムが来てくれたことが嬉しかった。彼女のことを考えるのを止めてくれたから。それでも、少しいらだった。

「何?」

彼は肩をすくめるとベンチに座った。

 

「お前が何をしているのか気になって。お前がその、、、」

 

「何だよ?」

繰り返した。彼がそれを言い切るのを聞きたかった。彼が思っていることを面と向かって言葉として聞きたかった。彼は辛そうだった。

 

視線を合わせなかった。口に出したくなさそうだった。でも、彼は言った。ボクは驚かなかった。

「ドラッグやってるのかと。」

今になってやっと彼の目がボクを見た。それは優しいまなざしではなかった。不快なものでもなかった。彼は失望していた。失望、ボクが変わったと信じていた彼のボクへの失望。

 

でも、彼は間違っている、他のみんなが間違っているように。

 

「リーアム、誤解だ。」

 

彼は首を振った。

「ボクはそうは思わない。ハリー。」

 

彼がボクのことを信じてないことに腹が立った。何年も友だちだったのに。彼はもうその友情を感じていないのかもしれないけど、ボクはあると思っていた。

 

「ボクがやっているとこ見たのかよ?」

ボクは声に怒りをこめて言った。疑いの余地がないように。

 

「普通は隠れてするだろ。」

 

「でも、ボクはやってない。リーアム。」

 

彼は肩をすくめた。

「お前酔ってるよ。ハリー — ボクはお前の言うことを信じない。」

 

ボクは鼻を鳴らすと彼に目をやった。そうだ、ボクは酔っている、とっても。でも、何をしたかと何をしていないかはわかっている。リーアムはボクの前に座って、酔わずに会話しているかもしれないけど、嘘は嫌だ。

 

「腎臓が一つで酒飲まないからって、調子づくなよ。」

彼は傷ついたようにボクを見た。すぐに、またやってしまったと思った。今日二回目だ。キンバリーのことより、これは彼を傷つけた。リーアムをとても傷つけた。彼がその腎臓のせいで今までどれだけ大変な思いをして来たか知っていたのに。今、リーアムが自分ではどうしようもないことで、彼を傷つけてしまった。ハリー、よくやった。お前は本当にいい友だちだな。

 

リーアムは立ち上がるとクラブへのドアを開けた。

「リーアム、そう言うつもりじゃ—」

 

「ハリー、どこか別のところへ行けよ。ドラッグか何やってるのか知らないけど。」

 

その言葉を残して彼は去った。あのリーアム・ペイン、世界一優しいヤツがボクにこう言った。自業自得だ。あのリーアムからこういう言葉をかけられるってことはバカな過ちをしたってこと。そしてボクはそれを犯した。

 

こういう過ちは重なるもんだ。あの不快な声が聞こえた。ザック。いつでもボクを見つけ出す。今日もだ。

「友だちなくしたか?ハリー?」

 

もちろんボクとリーアムの会話を盗み聞きしていた。それを嫌がらせに使った。

「あっちいけよ、ザック。プライベートなパーティーだ。」

 

「俺はここのオーナーを知っているんだ。だまってろ、意気地なしめ。」

 

拳を握りしめて彼に近づいた。

「意気地なしはお前だろ。」

 

もう一つの過ちを犯した。でも、前の二つの過ちとは違う。後悔してなかった。身から出たさびだ。当然の結果だ。

「口が過ぎたな。スタイルズ。」

 

「ここに何しに来た、スティール?」

 

声高に笑う彼に彼の答えがボクを動揺させるだろうと感じた。

「タイラーが来たぜ。またチェックを用意しておくんだな。」

 

動揺した、激高した。ザックに詰め寄ると彼の目を見据えた。

「タイラーのことは放っておけよ!」

彼に怒鳴った拍子に、アルコールがまわってくるのを感じた。ボクの態度はビールのせいかもしれないけど、それよりも、ザックへの深い憎しみのせい。放っておいてくれ。

 

彼は去って行った。拳をボクの顔に打ち込んで。ボクは倒れた。そのあと、ボクは一人地面に倒れていた。周りが暗くなっていくのを感じた。全てが消え去るその前に声が聞こえた。ボクが今日犯した全ての過ちのあとで、僕への優しい声。

「ハリー!」

その声は叫んだ。そのまま意識が遠のいた。

 

✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘

気を失ってしまったハリー。

(このあと彼に何が起こると思う?)

それに、ハリーの過ち。

彼の態度どう思う?

 

 

Movellasに登録全ての話題を見つけよう. 今すぐ登録しあなたの作品と情熱をシェアしよう。
Loading ...