Hearts of Darkness (Japanese/日本語)

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  • 公開済み: 20 1 2014
  • アップデートされたもの: 18 3 2014
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一年の休学の間にキンバリー・コールマンはある“ミッション”に巻き込まれる。それは、45日間の間にあの世界的に人気のあるハリー・スタイルズを元の彼にもどすということ。ここ数ヶ月、ハリーはクラブに出入りし、彼の銀行口座の残高はどんどんと少なくなっていった。グループのメンバーたちはそれを心配し、キンバリーの助けを求めた。ハリーがいったい何をしているのか、誰も知らなかった。一つ確かなことは:今のハリーは世界中の女の子が愛しているあのハリーではなく、グループの将来何て気にしていないということ。メンバーたちが思っているほど、ハリーは本当に変わってしまったのか?キンバリーに与えられた時間は45日。彼女はハリーの奥深くにある秘密を探ることが出来るのか?そして限られた時間の中で元のハリーにもどすことが出来るのか?

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3. ✘"Harry, do you owe money to anyone?"


「もう行くの?」

それが彼女の声だってわかっていた。でも、暗闇が彼女を包んでよく見えなかった。薄いシーツをまとった彼女の髪が枕の上に乱れていた。彼女の眼は見えなかった。アシュレイ。確かそれが彼女の名前だった。

 

床から白いTシャツを拾い上げ、少しほこりをはたいて、それを着た。少し前までそれを着ていたのと同じように。このTシャツを拾い上げるのは、今夜もう2回目だった。アルコールのせいでめまいがして、自分が何をしているのか、考えられなかった。でも、これが今はボクの日常。

 

ボクが答えないでいると、彼女がまた口を開いた。

「まだそんな時間でもないでしょ。」

下の階からの叫び声にくらべると、彼女の声はささやきだった。

「仕事。」

彼女が何か言うのを待たずに、ドアへ向かい、この小さな部屋を出て行く用意をした。彼女はため息をついた。

「ちょっと。ハリー、あなたムカつく。」

ボクは立ち止まった。振り返ると、彼女はベッドサイドのランプをつけて、緑色の瞳をじっとボクに向けていた。言葉がひとつまたひとつと、失望以外の何の意味も持たずに出ているようだった。でも、それはボクにいろいろなことを考えさせた。

 

ジェニファー、彼女のことを最初に思い出した。ジェニファーは昔ボクの彼女だった。

彼女の金色の髪がボクの前に現れて、彼女が近づいてくるのが見えた。彼女の緑色の瞳がボクを見つめている。そしてまた、ボクは見下されている気がした。彼女はボクをにらみつけた。彼女は彼女自身のことを良く知っていた。彼女はいつもボクを支配していた。ジェニファー一度はボクの彼女だった人。幸い、ボクたちはもう連絡を取っていなかった。

 

「ハリー?」

ベッドから女の声がした。—彼女の名前は確かまだアシュレイ−頭を振って髪を整えると、自分自身に戻って足ばやに部屋を出た。過去のことを思い出しているところじゃなかった。しかも、昔の彼女なんか。ジェニファーなんか関係ない。いや、ハリー。まだ。。。

こんなこと考えてる場合じゃない。特に、いつものようにポーカーをしているタイラーを見つけた時なんかに。興奮させていたのは、カードだけじゃない。たくさんのタバコの吸い殻に混じって、見落としようのないドラッグがテーブルの上にはあった。

ボクはタイラーがボクの親友だったことを時々忘れた。そのタイラーにとってはいつもの一日。

「よう、スタイルズ。お前もする?」

タイラーに目を向けて、目を合わせようとしたけど、無理だった。いつものようにかれはゲームのことしか考えていなかった。金を稼ぐこと、でも、毎晩のように繰り返していたのは、金を失うこと。

 

「もう止めたら?もうすぐ7時だ。」

目の下のくまが彼が一晩中ポーカーしていたこと、金を勝つまではやめられないを語っていた。ボクを見ないで彼は言った。

「待てよ。ダイヤが一つたりないんだよ。」

彼の声のイラつきは間違いなかった。彼は本当に赤のダイヤを待っていた。アルコールのにおいがしなくても、タイラーが浴びるほどのビールを飲んでいたことを、誰も疑いはしなかった。酔っていなければ、ポーカーで何を待っているか、誰も言うはずがない。赤のダイヤは来なかった。タイラーはポーカーの才能がないことをみんなに示した。一番いいカードは一枚のナイト。「くそ。」

向かいの男が彼からチップを取り上げると短く叫んだ。

「金、出しな。」

男はタイラーにタバコの煙を吐きかけて、手に金が渡されるのを待った。

今になってやっとタイラーはボクを見た。彼は金がなかった。ボクは驚かなかった。だから、タイラーが負けた高額のチェックを書くのに時間はかからなかった。

男が喜んでテーブルを離れると、ボクはタイラーを掴んで言った。

「いつになったら止めるんだ。タイラー?!」

意識的に声を荒げて言った。彼が今やってることが賢いことではないとわかるように。毎晩ボクはチェックを書いた。もし、ボクが売れてなければ、もうとっくに彼は大変なことになっていた。

タイラーは飲みかけのビールを見つけると、素早くそれを飲み干した。

「何でやめんの?この興奮がたまらないんだよ。」

頭を振った。

「もう付き合いきれないよ。」

そう言い残してその場を去ろうとすると、ポケットの中の携帯が鳴った。タイラーの態度にイラついて、無愛想に答えた。

「何?!」

そんな会話のはじまりに返ってきた答えも無愛想だった。

「15分後に会議。」

冷たく短く。自業自得だ。

「もう、お前無理。」

ルイが電話の向こうでため息をついた。

「マジで、何やってんだよ。ハリー。」

答える前に、タイラーが音楽のヴォリュームをあげた。

「また、パーティーかよ。もう朝の7時だぞ。最悪だな。」

ルイの声も聞こえづらかった。でも、ボクが来てないことへの文句を言ってるに違いなかった。独りよがりのタイラーがこっちへ来て、電話に向かってボクにもタバコすえと叫ぶとルイは恐ろしくイラついた。

「いいか、ハリー。とにかく来いよ。いいな?グループのために。」

彼が電話を切ると、彼の気分がボクにうつった。

「何でお前はいつも−」

とタイラーに向かって叫んだとたん、彼には新しい連れがいるのが見えた。アシュレイはボクを無視して、彼女が欲しかったものを別の男が与えてくれることに期待しながら、2人は部屋へ消えていった。ボクは何も感じなかった。男女の関係にボクは感情を持たないようにした。ボクはただ特別だと感じたかった。ボクには価値があると。そしてセックスがそれにはちょうどよかったということを隠すつもりはなかった。

 

「おい、ハリー。」

音楽の鳴り響くナイトクラブ中にヘンリーの声が聞こえた。

「どうして、こんなに散らかすんだ?」

ヘンリーはクラブのオーナーらしくテーブルを拭き始めた。彼の目はその行為を彼がいやがっていることを語っていた。

「どうしてか聞く?」

「生意気言うなよ。」

うめきながら言った。

「ここで夜を過ごしてもいいけど、この世の中全てをおれが持ってるってな顔するのは止めろよ。」

彼の気分を害しているのはその音楽だということが簡単にわかった。2人ともが感じている二日酔いに響く、このバスの音に起こされたのだ。

「この世はおれのものなんて思ってないよ。」

自分でも叫んでいるのが聞こえた。また自業自得だ。

ヘンリーは布巾をきつく絞ると、

「暗くなる前に来るなよ。早く行け。」

と叫んで、ボクがその場から立ち去るのを待った。

「わかったよ。」

イラついてため息をつくと、外の風に吹かれて歩き出した。

 

 

その日は、珍しく会議に間に合った。でも、だから何?他の奴らがどっちにしてもボクのことを嫌ってることは確かだ。

嫌悪、少なくともそれが会議室に入って行った時にボクを迎えたものだった。たった5分の遅れ。公共の交通手段をさけるため、ずっと歩いてきた結果。春だから、天気は問題なかった。

「ハリー。良かったよ、お前が来て。」

リーアムがその場を盛り上げようと、ボクを会議室へ招き入れた。最初に気がついたことは、ルイがボクから目を避けていたこと。でも、運良く言葉のない気まずい雰囲気は長く続かなかった。

ツアーマネージャーがボクに座るように促した。何キロも歩いて足が痛んだ。「じゃ、みんなそろったようだから−」

「ハリーは聞く気ないと思うけどね。」

今になってやっとルイはボクを睨むように目を向けた。ボクの電話での対応に気を悪くしているらしい。でも、タイラーの態度はボクをイラつかせた。どうしろって言うんだ。

みんなの目がボクに向けられた。話をさえぎったのはルイなのに。

「何でボクを見るんだ。さえぎったのはルイだろ?!」

ボクの荒げた声はその場の雰囲気を余計に悪くしただけだった。

ルイはボクをじろじろと見回すと、

「みんな、お前に聞く気がないことを知ってるよ、ハリー。」

みんながルイの味方だと知るのは難しくなかった。

「ボクは実際に今来てるんだから、続けてよ。」

その言葉にみんなはボクを睨みつけるのを止めた。こんなに早くこの状況から抜け出せるのは好都合だ。タイラーのことで面倒くさいことになるのはもう十分だ。

「前にも言ったように、45日後にロンドンで一番大きな会場でのコンサートがある。君たちに関して言えば、これは今までで一番大きく、またツアーの初日になる。」静かだった。ツアーという言葉がボクの頭に重く響いた。

ツアーまで45日?タイラーをまともな道にもどすのにボクには45日しかないのか。

「くそっ。」

意味もなく口走ってしまった。みんなの目がまたボクに集まった。みんなはもちろんボクがグループの将来のプランについて言ったのかと思ってる。

「ハリー、お前ももちろんツアーに参加するんだぞ。契約で決まってる。」

いつものように、ボクが充分承知していることをわかっていて、ボクが何をできて、何をできないのかを伝えてきた。

それでも、ロンドンのクラブに毎晩でかけたりして、その決まりをボクは守らなかった。タイラーが借金しているナイトクラブ、携帯が鳴った。

「鳴らしておけよ。」

またボクに都合の悪いことを言われた。着信はどうでもいい人からじゃなかった。

「すぐ戻るよ。」誰もボクがすぐに会議室から出て行ったことにいい顔をしなかった。彼らのとれる行動は二つのうちのどちらかだった。

一つ目はみんながボクのことを待つ。多分、そうなるだろうけど。

そして二つ目は、ちょっと待って、いや、やめよう、ボクなしで進められる訳がないのだから。だから、ボクが部屋を出て行った時、みんながため息をついた。でもそれはボクが携帯に出た時のため息に比べたら、たわいないものだった。

「えっ?!」

ほかの人から離れて、廊下の隅に行った。

「タイラー来てないぜ。閉じ込めたのか?」

その声は低くボクが誰を恐れなければいけないかを語っていた。

ザック・スティール。大馬鹿ものタイラーが金を借りた相手。

「わかってるんだろうな。笑い事じゃないぞ。」

「ああ。よくわかってる。」

穏便に事を進めるように気をつけた。でも、いつものように、ザックとボクの意見は一致しなかった。

「タイラーはお前と一緒にいるってことか?」

ザックは言った。

「落ち着けよ。−」

「俺に指図すんな。」

穏便に済ますことなんかできなかった。ザックはこのタイプの会話に慣れていた。

「借金、いくら−」

タイラーを救えるかもしれない案を切り出そうとしたその瞬間、携帯のシグナルが消えた。

「くそっ。」

イラついて叫んだとき、リーアムがボクの会話を聞いていたことに気がついた。驚かなかった。リーアムはボクに何が起こっているのかを知りたがっていた。何かがおかしいということをみんなは気づいていた。

「何も聞かなかった。な。」

会話の終わり方にフラストレーションを感じながら、リーアムの肩を押しのけて通り過ぎながら、彼に言った。

リーアムはボクの腕をつかむと廊下の奥まで行って止まった。

「ハリー、お前金かりてんの?」

ザックに比べると、小声でゆっくりと話した。

その質問がなかったら、ふつうに話すことができたのに、答えを待っている彼がしゃくにさわった。

「何で、みんなそう思うんだよ。」

リーアムは周りを見渡すと、

「じゃあ、何を信じればいいんだ?」

「もう、関係ねえだろ。」

会話を切り上げ、会議を終わらせるために席に着くと、みんなの驚いたまなざしがボクを迎えた。

 

今回のコンサートはファンにボクたちのことを良く知ってもらうための大きなチャンスだということなどを知らされた。

「それから、ハリー。気をつけて行動しろよ。笑顔で、ファンを喜ばせろ。これからメディアのカバーが多くなるから、それに応えろよ。」

「選択の余地ある?」

床を見ながら、言葉が口を離れる前に、自分が何を言ってるのか考えなかった。ボクの質問に誰も答えないまま会話が進んでいった。

何分かたってほかの人が出て行くと、メンバーとボクが残された。

「ハリー、お前の親友として、俺たちお前に何が起こっているのか聞きたい。」

出て行こうと立ち上がっていたボクをみんなが遮った。

「お前の力になりたいんだ。。。何か問題があるなら。」

それを言うのにリーアムは勇気が必要だったろう。

「問題?問題なんかないよ。」

ボクの言っていることをみんなが信じていないことに腹を立てながら言った。

何と言っても、彼らはボクの親友だった。

ルイがボクをじっと見つめた。

「問題ない?じゃ、お前が何をやっているのか話してみろよ。」

ボクの態度に一番影響されているのはルイだった。ルイは何回もボクに何が起きているのかわからないと言ってきた。

「できないよ。」

もちろん、そう答えることがみんなの疑いを深くするだけだってことはわかっていた。でも、タイラーのことは言えない。みんながボクをどう思っているかは二の次だ。

「他に用がなければ、もう行くよ。」

みんなボクを見ていたけど、誰も何も言わなかったから、その場を立ち去った。ドアを締めた後に、ルイの慎重な声が聞こえた。

「何か手をうたないと。」

クラブへの途中、フラストレーションをぶちまける必要を感じて、別の方向に向かった。ロンドン中心部のトレーニングセンターへ。そこまでの道はざわつくまっすぐの道だった。歩道は狭く、ロンドンの住人と観光客とが道に割り込んでくるたびに肩がぶつかった。目にはサングラス、カールした髪には帽子をかぶって、人に止められないように歩いた。でも、ここまで有名になってしまうと、それは無理だった。2人の女の子がボクを呼び止めた。ボクが写真をとってもいいと言うと、大きな笑顔を作ってカメラに向かってポーズを決めた。

「ありがとうございました。」

と言って、握手をしてきた。さっきまでのストレスを横において、彼らが喜ぶように笑顔を作った。でもそれは5分も続かなかった。内側から何とも言えないフラストレーションがこみ上げて来た。近づいて来た別のファンに謝りながら、もうこれ以上止められないように細い路地に入りこんだ。

 

気がつくと、チェックインの時に無関心な笑顔を取り繕う従業員がいる、トレーニングセンターの前にいた。

いつも同じ女の人が座っていた。出たり入ったりする人に完全に無関心だった。会員ではなくても利用することができた。ボクは時々そうしていた。

 

「スタイルズ!」

ちょうどサンドバッグに打ち込もうとしたその時にその声が聞こえた。それは少し前にボクのことをイラつかせた声だった。

ザック、その人だった。

それ以上は言わずに近づいてくると、ボクに打ち込めというようにサンドバッグを持って構えた。

「何の用?」

ボクは打った。サンドバッグがないと想像しながら。ザックは立ったままだった。彼の醜い顔を殴ってやりたかった。

彼は嘲るように笑った。

「聞くか?さっきも言ったけど、タイラー、来なかったぜ。」

ボクも小さく笑った。

「女のところなんだろ。」

ザックは片方の眉毛をあげると、

「本当かよ。タイラーのやつ、うまくやってんのか?」

ボクから出たフラストレーションがサンドバッグの革の上を埋めていくのを感じた。

「ほっといてくれないか、ザック?タイラーの借りは払うから。他に用はないだろ。」

サンドバッグを持つのを止めると、ボクに向かって歩を進め、顔を近づけて来た。

「毎回の支払の間があまり開かねえようにな。」

口からため息がもれて、打つのを止めた。

「知っていると思うけど、そう簡単に大金を引き出せる訳じゃないから。何かあるって疑われる。」

「何もしてないのか?」

「やめろよ。いくら借りてるんだよ。」

もう一度サンドバッグを打つと、ザックはよろめいて一歩引き下がった。彼は頭を傾けると、サンドバッグを打っているボクをじろじろと眺めた。見られていることなんて関係なかった。

ザックは少し経ってから言った。

「お前昨日払ったろ。だから今のところはいいぜ。けどな、明日になったらまた借りがあると思うぜ。」

ザックはまたタイラーが今夜、少なくとも明日のうちには、ザックのところに金をかりにくることを暗示していた。ボクがタイラーにそれをやめさせない限りは。今しかない。ボクがタイラーを救うことができるのは。全てのことからタイラーを引き離すことができれば。

「まあ、待っていろよ。タイラーはもうお前のところで金なんか使わない。ザック。」

彼はボクを見下すように睨みつけ、ボクは彼の名前に嫌悪を覚え、彼から目をそらした。

ザックは少しヘアワックスのついたその茶色の髪にバスケットボールの服を着てそこへ立ち、筋肉を見せびらかしていった。

「まあ、みてろよ。」

 

✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘

これはHODの最初のチャプターです。

テアとラウラの2人が書いたものの日本語訳です。

みんながこれを気に入ってくれたら嬉しいです。

ハリーの日常、ハリーがタイラーを助けるためにたくさんのお金を使うこと、どう思いますか?

ハリーには✘ 、キンバリーには ✻がついています。

ラウラがハリーを、テアがキンバリーを書いています。

 

これからも、読んでくださいね。

 


 

 

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