Hearts of Darkness (Japanese/日本語)

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  • 公開済み: 20 1 2014
  • アップデートされたもの: 18 3 2014
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一年の休学の間にキンバリー・コールマンはある“ミッション”に巻き込まれる。それは、45日間の間にあの世界的に人気のあるハリー・スタイルズを元の彼にもどすということ。ここ数ヶ月、ハリーはクラブに出入りし、彼の銀行口座の残高はどんどんと少なくなっていった。グループのメンバーたちはそれを心配し、キンバリーの助けを求めた。ハリーがいったい何をしているのか、誰も知らなかった。一つ確かなことは:今のハリーは世界中の女の子が愛しているあのハリーではなく、グループの将来何て気にしていないということ。メンバーたちが思っているほど、ハリーは本当に変わってしまったのか?キンバリーに与えられた時間は45日。彼女はハリーの奥深くにある秘密を探ることが出来るのか?そして限られた時間の中で元のハリーにもどすことが出来るのか?

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19. ✻ "Can you make it stop?"

 

ハリーがクラブで私から立ち去ったその場面が頭から離れなかった。もう4日も経っているのに、眼を閉じるとそれが写った。彼は傷つき、私はバカだった。ハリーがドラッグをしていないと言った時、彼を信じるべきだった。—でも、どうやったら信じることが出来たっていうの。彼が別の子と寝て、さらに私がよく知らなかったハリー・スタイルズなのよ?そんなすぐにどうやったら信じられたというの?彼は私が信じられるようなことを何も与えなかった!

 

「ハリー、怒ってたな?」

 

タイラーが言うと、怒りが体中から溢れ出した。彼を信じなかったのは私のせいだけど、どこかでタイラーのせいでもあると感じていた。だって、じゃなかったら、ハリーが何をしているかわかっていたはずだし。

 

タイラーがハリーを面倒なことに巻き込んだ。タイラーがハリーに友だち、グループ、それに家族のことを忘れさせた。タイラーはハリーをお金のために使った。ハリーがお金を払わないと、ザックがハリーを殴った。どうしてこんな環境にハリーが身を置くことになったの?

 

ハリーが友だちのためにどんな目にあわなければいけなかったかを想像するだけで、のどにつかえを感じた。。。そして私はただの嫌なヤツで、、、ああ、私が彼に言ったこと、私が彼を信じなかったこと、それを考えると申し訳なかった。たぶん、そのせいで私はタイラーを怒鳴りつけた。そのせいでその辺にいた人たちが私をタイラーから引き離そうとした。自分で自分を抑えられなかった。タイラーの胸を殴り、叫び続けた。タイラーはどんなにハリーを苦しめたか知るべきだった。

 

タイラーも少し腹を立てたようだった。でも、言葉だけ。彼は私に言ってきた。

 

「バカ女。今度ここに顔を出したらただじゃおかないからな。」

 

タイラーはザックを探し始めた。私はそれを見て、クラブをあとにした。

 

自分自身に腹が立っていた。みんながハリーを誤解していた。彼がしていたこと全ては、友だちを助けるためだった。誰も彼のことを信じなかった。メディアも騒ぎ立てた。そして私も、、

 

「キム、何やってんのよ、」

 

その声が私を現実に引き戻した。私が見上げると、ペリエが悲しい顔をしてドアの所に立っていた。

 

「ノック、聞こえなかった、」

 

つぶやきながら、涙を拭った。

 

「だってノックしていないもの。」

 

彼女はベッドに座っている私の隣に静かに腰をかけた。

 

「全てが混乱状態ね。」

 

彼女がため息をつくと、私は小さく頷いた。

 

「彼はまだ誰にも返事をして来ないの?」

 

私の声は低かった。本当は答えを聞きたくなかった。答えがノーだということをもう知っていたから。

 

他のメンバーたちも何があったか聞いていた。リーアムは知っていたようで驚かなかった。彼はリーアムには心を開いていたみたい。でも、他のメンバーは、、、自分たちの態度に心を痛めていたようだった —特にルイは。ハリーに連絡し続けていたけど、ハリーは出なかった。

 

彼らを気の毒だと思った。ハリーは彼らが信じられるようなものを与えなかった。でも、ハリーはみんなの親友だった。みんなはハリーがドラッグに手を出さないことを知っているべきだったのに。—でも、もちろん後から考えるのは楽なこと。

 

本当は私も、全て私のせいじゃないかと感じていた。私が大口叩かなければ、ハリーは傷つくこともなかったし、他のみんなも傷つくことはなかった。

自分でなんとかしなくっちゃ。ハリーは電話にもでないし、メッセージにも返信をして来ない。私が謝りたいと思っていることを彼に知らせなきゃ!

私は立ち上がった。

 

「ハリーは自分の家にいるの?」

 

そう訊くとペリエは眉を上げた。

 

「家から出たところ見られてないから、そうだと思う。何で?」

 

不確かな様子だった。

 

「私の思っていることを伝えなきゃ。何もしないで、ここに座ってなんかいられないわ。それが私に出来ること。彼に借りがあるの!」

 

上着をはおって急いだ。ペリエが何か叫ぶのが聞こえた。いい考えだと思うけど、気をつけないと。急がないと。今、勇気があるけど、この勇気が消えてしまう前に彼に話さないと。

 

***

 

前にもしたように、何も連絡せずに彼のドアの前に立った。でも今回はノックした。心臓がのどにあるかのようにドキドキした。その脈が強すぎて痛いくらいだった。大丈夫。私は出来る。これが唯一のチャンス。

 

ドアが開くと、私は深呼吸をした。何を想像していたのかわからないけど、私の前に立つハリーを見たとき、軽い衝撃を受けた。彼は緩いパンツをはいていた。そんな姿の彼を見るのは初めてだった。彼の髪は少し乱れ、彼の顔は嬉しそうではなかった。私が緊張に少し歪んだ笑顔を見せたときでさえ。

 

「何か、、、」

 

「—ハリー、聴いて。」

 

彼がドアを閉める前に、パニック気味に言った。彼はそこに立って私を見つめた。許しを請わずにドアを開け中に入った。服がそこら中に散らかっていた。カオス。本当に混沌としていた。

 

その状態を見て彼の頭の中と気分の混沌としたものを想像し、辛くなった。

ハリーは私の横を通り過ぎ、ソファーに座った。彼は携帯を手に持ち、私の方を見ようともしなかった。辛かった。でも、自分で招いたこと。

 

深呼吸をした。

 

「ハリー、」

 

ハリーの前に行った。それでも彼は私を見なかった。その態度は私の口を閉じさせた。まるで今まで一度も話をしたことがないかのように。

 

「聴いて、私は本当にあなたに申し訳ないと思ってる。あなたを信じるべきだったのに。でも、それはすごく難しいことだったの。あなたは私に何も教えてくれなかったから。傷つけるなんて思っていなかった。本のことも。私はただあなたの友だちや家族のためにしただけ。あなたがみんなを遠くへ押しやったから。どうしてか今になってわかったけど。あなたはタイラーを助けたかった。でも誰も知らなかった。だって、あなたは何も言わなかったから。みんなはあなたに元のハリーに戻ってもらおうと、私を選んだ。だって私は、、、私はあなたみたいな人を絶対に選ばないから。嫌な女になるつもりはないけど、本当に私は絶対に、、、」

 

待って、何を言ってるの私?私は頭を振ると続けた。

 

「本のことは本当に下手な言い訳だと思うけど。本当なのよ。あなたを傷つけるつもりじゃなかった。あなたのことは好きよ。それは信じて!もし全て変えられるならそうしたい。だから、お願い。ハリー、許して、」

 

か細くつぶやいた。彼の前に座り込んで、足にすがってしまいそうだった。そしてずっと離さない。。。でもそうしなかった。

 

実際には何も起こらなかった。ハリーは何も言わなかった。彼の視線は携帯に張り付いたまま、ショックを受けた表情をしていた。

 

私の言葉が彼にそんな顔をさせているのかと思った。でも私はそれを疑った。彼の携帯が鳴り、彼の目がそれを見つめていたから。彼は、、、彼は私を無視してる。

 

「ハリー?」

 

彼の名前をささやくと声がかすれた。彼は聞こえているはず。でも彼は私を見もせず、答えもしなかった。

 

胸にモヤモヤしたものを感じた。痛んだ。どんなふうに押しつぶされていくかを感じた。

 

私はそんなに嫌なヤツだったのかしら。ハリーが見てくれないほど、聞いてもくれないほど?彼が私に与えてくれたチャンスを全てだめにしたの?

 

深呼吸をした。でも体中にその痛みが広がって、息が出来なかった。

 

これが役に立たないと気づくのが遅すぎた。ハリーはもう耳もくれず、目もくれない。ハリーがジェニファーのことがあったあと、人を信じることが出来なくなったことを私は知っていた。。。そのことを考えたあと、向きを変え、彼の家を出た。自分ですべてを壊したんだ。もう何も出来ない。泣くことしか。

 

ドアを閉めると、壁に寄りかかった。目を閉じて深く息を吸った。

何を期待していたんだろう。たぶん、ハリーが私を追いかけてくることを。でもそんなことはなく、エレベーターで下へ降りた。

 

ドアが私を閉じ込め、最後の階へと連れて行った。落ち着けなかった。私の手は冷たく、頰は熱く、体は震えていた。落ち着こうと深呼吸をしようとしても出来なかった。

 

ただ一つで来たことは泣くことだった。声を上げるとやっと涙が溢れ出した。溢れて溢れて流れ落ちた。拭いても、次から次へと涙が出てきた。

 

「大丈夫ですか?」

 

男の人の声に目を開けた。彼の大きな茶色の瞳が心配そうに私を見つめていた。唇を固くかんだ。

 

「はい、ありがとう、」

 

そう言って彼の横を通り過ぎた。家に帰ろう。今。ペリエが必要だった。

 

***

 

ペリエのうちのドアを閉めると、私はその場に崩れ落ちた。

 

イスが動く音がするとペリエが廊下に現れた。彼女は目を見開いた。

 

「ゼイン!」

 

彼女は叫ぶと私の方へ近づいた。彼女は膝をつくと顔にかかる私の髪をかきあげた。彼女の冷たい手が私の冷たい頰を包むと、また泣き声を上げて泣いた。

 

「何があった?」

 

ゼインが戸惑い気味に言ったのを聞いた。少しすると彼が私の腕をそしてペリエがもう一つの腕を引き上げるのを感じた。そのまま居間へ向かった。

 

ペリエが私の肩に腕をまわすと、落ち着かせようとした。私のこんな姿を見るのは、彼女にとってもショックだったろう。私にとっても。こんなふうに泣けるなんて思いもしなかった。今までにこんなことはなかった。こんな気持ち、今までに経験したことがなかった。

 

まるで車が私の中にぶつかってきたようだった。本当に辛かった。ペリエの腕の中にどれくらい座っていただろう。彼女は私をなでながらゼインと少し言葉を交わした。少し寝ていたのだろうか。少し落ち着いた。でも、目が覚めると、体は疲れきって、目がしみた。

 

私の視線がゼインに向くと、彼は励ますように微笑んだ。唇を噛んでため息をついた。彼らに訳を話さなければ。

 

「ハリーは私の言ったことなんてどうでも良かった、」

 

つぶやいた。

 

「ジェニファーのあと、人を信用することが出来なくなったってことは知っていたけど、彼の前に立って謝るまで、よく理解してなかった。私がすべてをだめにしたってわかってる。私は、、、」

 

「—だいじょうぶ、」

 

ペリエがつぶやいた。

 

「本当に辛い。」

 

そうささやいて、また泣き始めた。

 

「どうしてこうなの?」

 

また訊いた。理由が知りたかった。わからない。彼のことを思っているのには気がついていたけれど、まさか、こんなにも思ってるとは思わなかった。どうしたらこんなふうに感じられるの、、、こんなにも汚く醜い?

 

「止めてちょうだい?」

 

また泣いた。自分があわれに感じた。こんなふうに感じることなんてなかった。いつもだったら、たいていのことには動じないで耐えられるのに。もちろん傷つくことも悲しくなることもあるけど、でも、すぐに元通りになるのに。今回はここから動けない。

 

「キム、」

 

ペリエが近づいた。

 

「もしこれがあなたがハリーに何かを感じてるって言う証拠じゃなければ、他にどんなものがあるか私にはわからないわ。」

 

のどのつかえを飲み込んだ。彼女に反抗できなかった。それは明らかだった。。。ただ自分では認められなかった。彼のもう一人の女にはならないって決めていたから。—でも、どこかで思っていた。。。私はただの彼のもう一人の女じゃなかったと。

 

「どうしよう。」

 

泣いて頭を振った。

 

***

「あいつどこいったんだ!」

 

苛立たしそうに叫ぶ人がいた。携帯から顔を上げると、その人が自分の髪をつかむのが見えた。

 

たくさんの人が忙しそうに行き交っていた。私は理由を知っていた。

 

ハリーがリハーサルに来なかった。彼らのコンサートは今夜。でも、その雰囲気は完全に死んでいた。他のメンバーたちは自分のパートを歌い終わるともうそれ以上は何もなかった。休憩ごとにハリーにメッセージを送った。彼の家に行った人もいたけど、彼は家にいなかったらしい。

 

ペリエも私と一緒に来てくれた。私ひとりでは無理だったから。でも、来るんじゃなかった。みんながハリーの名前を呼んでいる。。。でも、何で彼は来ていないの?わからない。でも私には何も出来なかった。—ほかの人に出来ること以外には。

 

出来ることはした。彼と話した、彼に書いた。でも何の役にも立たなかった。彼は傷ついていた。考えたくないことだけど、One Directionがバラバラになろうとしていた。それを救うことが出来るのは、ハリーだけだった。

 

メンバーたちが舞台から下がってくると、私は唇を噛んだ。ナイルはジョッシュと話している。嬉しそうではない。みんなが不安を抱えていた。—でも他に何が出来たのかしら?ハリーはOne Directionのメンバーで彼らの今までで一番大きなコンサートをハリーなしでは成功させることは不可能だった。

 

ハリーは何を考えているのかしら?彼は傷ついて、辛いかもしれないけど、他のメンバーたちも巻き込むほど落ち込んでいるの?彼らは兄弟のようなものなのに。。。

 

罪悪感を感じた。もし、私が首を突っ込まなければ。もし、私が彼の人生に口を出さなければ。。。

 

携帯が震えた。私はうつろにそれを見た。知らない番号からのメッセージだった。

 

震える指でコードを入力した。視線をディスプレイに落とし、ゆっくりと読み始めた:

 

キム、まず最初に俺のしたことを謝りたい。申し訳なく思っている。なぜこんなことになったのかわからない。でも、まずいことになっているのはわかる。ハリーを巻き込んだこと、すまなかった。今のハリーはみんなが愛しているあのハリーじゃないってことはよくわかっている。

でも、キム、君がこれを読むころ、俺はもういない。けど、一つ約束してほしい:ハリーを連れ戻してくれ。ハリーが君に恋していることを俺は知っている。そして、君だけがハリーをみんなの、それにあいつ自身も愛している元のあいつにもどせることを。君が俺の言うことを聞かなくちゃならない義理はない。でも、それが俺の最後の願いだ。俺はもう充分あいつを苦しめた、本当にすまない。

T

 

私は目を見開いた。リーアムが私に何か言っていた。でも、私は何を言っていたのか聞いてなかった。立ち上がって出口へ急いだ。全身が震えた。

ハリー。

 

「ちょっと、ごめんなさい!」

 

最後にはあきらめて、人ごみをかき分けた。どんなに醜い姿が写真に撮られようと構わず。ハリーのことしか頭になかった。

 

ハリーは自分のことを責めているに違いない。ハリーは、、、携帯がまた震えた。

 

キム、助けて。

 

今回は知らない番号からではなかった。—ハリー。

 

脈が早くなった。車のエンジンをかけた。こんな状態で車に乗るべきではなかったけど、タイラーのことでハリーがバカなことをするんじゃないかと心配だった。彼のもとへ急がなければ。今すぐに。

 

✘✘✘✘✘✘✘✘✘✘

悲しい気持ち。キム、ハリー。

最後はどうなる?

 

 

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